国際英文誌における研究成果発表に関するお知らせ

南日本酪農協同株式会社は、国際英文誌において、下記の通り乳酸菌に関する共同研究成果を発表しましたので、お知らせいたします。

■著者

南日本酪農協同(株)
竹田志郎、竹下正彦、菊地幸治
九州保健福祉大学薬学部
黒川昌彦、渡辺渡、吉田裕樹、日高宗明
モンゴル国立科学技術大学
C. Tsend-Ayush
モンゴルバイオテクノロジー協会
B. Dashnyam
宮崎大学農学部
六車三治男、河原聡
■タイトル
Anti-allergic activity of probiotics from Mongolian dairy products on type I allergy
in mice and mode of anti-allergic action

■雑誌
Journal of Functional Foods, volume 9 (2014), pp.60-69

■研究発表概要
弊社で分離した、モンゴル乳製品由来プロバイオティクス有望乳酸菌株を3つの異なるI型アレルギーモデルマウス(compound48/80によるアレルギー誘発モデル、受身皮膚アナフィラキシーモデル、卵白アルブミンによるアレルギー誘発モデル)に供試し、その効果について検討した。熱処理をした供試乳酸菌10株をのうち、Lactobacillus plantarum 06CC2株(LP432)を投与することにより、各アレルギーモデルにおいて、対照群よりもアレルギー症状の軽減が認められた。特に、卵白アルブミンによるアレルギー誘発モデルでは、マウス血清中の総IgE, 卵白アルブミン特異的IgE, ヒスタミン量の減少が見られた。また、同マウスの脾臓細胞を卵白アルブミン存在下で培養したところ、06CC2株を投与した群では、培養液中のIFN-γ量の増加とIL-4量の減少が認められた。さらに、卵白アルブミンによるアレルギー誘発マウスのパイエル板におけるサイトカイン遺伝子発現を検討したところ、IFN-γとIL-12レセプターβ2の発現が増大し、IL-4の発現は減少した。以上より、06CC2株をI型アレルギーマウスに投与すると、腸管免疫を介し1型ヘルパーT細胞系を活性化し、1型ヘルパーT細胞と2型ヘルパーT細胞のバランスが改善され、アレルギー症状の改善に繋がると考えられた。そして、06CC2株を含む食品のI型アレルギーへの効果が期待された。
以上