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新着情報・プレスリリース

日本酪農科学会誌「ミルクサイエンス」における研究成果掲載のお知らせ

更新日:2018年5月 1日

南日本酪農協同株式会社は学術誌「ミルクサイエンス」において、下記のとおり酸性条件下におけるカゼインの加熱ゲル形成に関する研究成果を発表したので、お知らせします。

研究発表内容

■タイトル
Formation of heat-induced casein gel under acidic conditions (pH ≤3.60).
(酸性条件下におけるカゼインの加熱ゲル形成)

 

■著者

南日本酪農協同㈱ 中野智木、竹下正彦、有馬勇夫
日本獣医生命科学大学 応用生命科学部食品科学科 佐藤 薫
山梨大学生命 生命環境学部地域食物科学科 遠藤基、谷本守正
鹿児島大学名誉教授 青木孝良

 

■掲載日
2018年4月25日

 

■概要
乳タンパク質を含む酸性の食品や飲料を製造する際、カゼインが不安定化し、凝集や沈殿などの問題が生じる。中性領域におけるカゼインに及ぼす加熱の影響は詳細に調べられているのに対して、酸性領域におけるカゼインに及ぼす加熱の影響は十分に調べられていない。本研究において、酸性条件下におけるカゼインの挙動に及ぼす加熱の影響を調べたところ、カゼインは酸性条件下で加熱するとゲル化することが明らかとなった。本報では、ゲル化の条件と形成したゲルの特性について報告する。カゼインをpH3.6以下、タンパク質濃度6%以上、70-85℃で加熱するとゲル化した。加熱ゲルのゲル強度は加熱温度、pH、タンパク質濃度に依存して増加した。しかし、90℃以上の加熱ではゲル強度が減少した。カゼイン溶液にNaClを添加すると加熱によるゲル形成が抑制された。動的粘弾性の測定によりカゼインを酸性条件下で加熱すると不可逆的な変化がおこることが明らかになった。未加熱の8%カゼイン(pH2.8)は粘性成分より弾性成分が支配的だった。貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)は3-40°Cで加熱温度に依存して減少したが、40°C以上では増加に転じ、70°Cで最大となった。加熱による構造変化後に冷却すると、G’とG”は温度の低下に伴い著しく増加し、70°CにおけるG’とG”の極大は観察されなかった。加熱により形成したゲルを再加熱すると加熱温度に依存してG’とG”が減少した。酸性の加熱ゲルは熱可塑性であり、酸性ゲルやレンネットゲルとは異なる特性を有していた。

以上