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生産者インタビュー

550頭もの乳牛は九州最大規模 疾病対策には山砂を活用

坂元牧場 鹿児島県西之表市(種子島)

更新日:2013年10月31日

「坂元牧場」は九州でも最大規模の牧場です。その数は全約550頭、出荷乳量は1日11tにも上ります。敷地は広く、畜舎では砂のベッドの上で乳牛が寝そべり、ゆったりと休んでいました。

手造りの畜舎 山砂のベッドで安全に

飼料は24時間きらさないよう、常に補充しています
飼料は24時間きらさないよう、常に補充しています

「この畜舎は、全部手造りなんですよ」と、場長の羽生亮次朗さん(34)が案内してくれました。床は牛たちが歩きやすいよう、すべり止めの溝が付けられ、柱も屋根も頑丈に造られています。電気工事もすべて自分たちの手で造り上げているそうです。乳牛にとって、夏の暑さは大敵。天井から扇風機で風を送り、黒い遮光ネットで日差しを和らげる対策もとっていました。

 現在、さく乳牛は340頭、出産を待つ母牛は80頭、育成牛は100頭以上です。多くの乳牛には、どのように目を配っているのでしょう。坂元牧場では研修生を含めた12名の従業員で、乳牛を4群に分けて管理しています。飼料はアメリカ、オーストラリアからの輸入草が主で、いつでも食べることができるよう、欠かさないようにしています。搾乳は1日3回。夜中0時から、午前8時から(この時間は270頭のみ)、午後2時からで、1回に約4時間ほどかかるそうです。

 羽生さんは、多くの乳牛の管理について「疾病対策が一番気を使います」と話します。種子島ならではの山砂のベッドが強い味方です。「きれいな山砂を常に補充していると、菌が繁殖せず、乳房炎などの病気が減りますね」。取材中も、山砂補充の準備が行われていました。

一頭一頭をよく見て 丁寧な管理が重要

きれいな山砂のベッドは、菌の繁殖を防いでくれます。山砂の補充も欠かせません
きれいな山砂のベッドは、菌の繁殖を防いでくれます。山砂の補充も欠かせません

微生物発酵で堆肥を作る大規模な家畜排泄物処理施設
微生物発酵で堆肥を作る大規模な家畜排泄物処理施設

 坂元牧場の三代目の坂元功二社長(41)は、20歳の時に牧場経営を継ぎ、9年後の2002年に有限会社サカモトを設立しました。その間、当初は搾乳牛180頭だった頭数を約2倍に増頭してきました。その一番の理由は「スケールメリット」です。増頭し、えさをすべて購入に切り替えることで、安全・安心な牛乳を安定して届けることができます。さらに地域の雇用を確立することもできます。

 2012年に家畜排泄物処理施設を建設。発酵させて堆肥を作り、サトウキビやショウガなどの生産農家と提携し、循環させています。大規模な処理施設も見学しましたが、においはまったくなく、栄養価の高い堆肥が作られていました。

 羽生さんは今後について、「一頭一頭を大切にして、長く搾乳ができるよう、今以上によく見て丁寧に管理していきたい」と話します。多い牛は10産することもあるそうです。そのためには、「世話をする個々の技術を上げることが重要」とも。規模の大きさに関わらず、一頭一頭とのコミュニケーションが大切なのです。

取材・ライティング:Yuko Kawagoe

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