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生産者インタビュー

水や餌に牛たちへの思いを込めて 子どもたちもみんなに牛を好きになってほしい

花吉牧場 宮崎県都城市

更新日:2012年3月27日

お父さんが引退された後、隆文さんが牧場を継ぎました 65頭の牛を飼育(うち40頭が搾乳牛)する花吉牧場では、花吉隆文さん(37)と母の久子さん(64)が二人三脚で世話をしています。「小さいころから、家の牛乳を飲んで、学校給食でも飲んでいました。搾りたての牛乳を温めて飲んだ子どもたちが、味を覚えてくれているとうれしいです。子どもたちにもたくさん飲んでほしいですね」と隆文さん。久子さんは「本当に牛乳が大好きで。がぶがぶ飲んでましたね」と笑顔で話します。

木酢液入りの水で体調良く

 隆文さんは、牧場を継ぐ前、南日本酪農協同株式会社に勤めていました。「どのように殺菌をして、加工品用には、どう使われているのか、自分の目で見ることができたのは大きいですね」と話します。「健康な牛から搾った、健康な牛乳」を届けるには「牛がゆっくりしていることが一番」。朝、搾乳前に牛の顔を見て体調の良し悪しを見極めるように心がけています。

夏は30度、冬は33度に温めた地下水を飲ませています 最初、脱臭のために牛の飲み水に木酢液を使い始めたところ、体調がよさそうなことに気付きました。牛の胃の中の微生物は重要なエネルギー源といわれており、木酢液によりその働きを活発にして消化を助ける働きを促すそうです。また、 霧島山麓の環境を生かし、地下60mから汲みあげる検査済みの地下水を、1年を通して30~33度に温めることで、飲みやすくなるといいます。取材中も、牛たちは、水をおいしそうに飲んでいました。

牛を身近に感じてほしい

 搾乳は、午前6時半と午後6時ごろ。その前に、餌の準備と給餌をしています。花吉牧場では、餌の9割が自給。夏はトウモロコシ、春と秋はイタリアンライグラスの収穫作業があり、畑作業がある時期は、牛舎作業の合間に畑作業に行っています。 6年前に新しく完成した牛舎は、以前は田んぼだったところ。冬は少々寒いですが、夏は風通しがよく、牛たちにはいい環境です。県道から見えやすく、「口蹄疫の前は、皆さんが気軽に見せてくださいと立ち寄ってくれていました」。自分が小さいころから牛を世話し、牛乳が好きになった記憶から、いずれは「観光農園もやってみたい」と隆文さん。「牛って人間と似ているんですよ」という言葉に、愛情があふれていました。

牛の出産

生まれたばかり。いつもメスを願ってのお産です 花吉牧場では、偶然、出産に立ち会うことができました。

 夜中の出産は自然分娩をしているそうですが、今回は、逆子(お尻から出てくる)ということもあって、人間が手助けします。

 後ろ脚に紐をかけ、引っ張る隆文さんと久子さん。母牛が鳴き声を上げながら、体を低くしていきむと、5分ほどでつるりと外へ飛び出しました。

 仔牛は、鳴き声を上げません。ドキドキしながら固唾を飲んで見ていると、後ろ脚を引いて一旦吊るし、体をこすります。これは仔牛が呑み込んだ羊水を吐かせるためとのこと。ヤギのような鳴き声が響き渡り、ひと安心。干し草の上に横たわらせ、草でこすって体を温め、立ち上がるのを待ちました。

初乳は茶色い色をしています。成長すると、薄めた牛乳を飲ませます 「逆子は、体が弱っているんです」と、隆文さんが母牛からとった初乳を哺乳瓶で与えます。なかなかうまく吸えないので、指を吸わせて練習しながらの授乳。ですが、その時は、うまくは吸えませんでした。

 母牛を見ると、すぐに元気を取り戻し、牧草を食べていました。生命力に驚きます。

 仔牛はその後、立って歩くことができたそうです。

取材・ライティング:Yuko Kawagoe

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